前回にて詳細設計説明したので、次のステップのシステムの基本設計について説明しようと思います。

失敗しないシステム開発入門｜開発とは？

「開発」とは、要件定義や設計で決めた仕様をもとに、実際にプログラムを書いてシステムを形にしていく工程のことです。

ここでの主な作業は、設計書をもとにコードを実装し、動作確認を行いながら、システム全体を構築していくことです。

開発フェーズでは、プログラミングだけでなく以下のような作業も含まれます。

つまり、設計を「設計図」とするなら、開発はその設計図をもとに家を建てる大工仕事のようなものです。
このフェーズの品質が、最終的なシステムの完成度を大きく左右します。

開発が大事な理由は？

開発フェーズが重要なのは、実際のシステムがここで初めて動くからです。
要件定義や設計がどれだけ良くても、開発がうまくいかなければシステムは機能しません。

特に大事なのは次の3点です。

開発を「単なるコーディング」と軽視すると、後のテストや運用で手戻りが発生し、スケジュール遅延やコスト増加につながるのです。

システム開発でありがちな失敗を挙げてみましょう。

設計書を軽視して「とりあえず動くものを作る」と、仕様との不整合が発生。
最終的にテストで不具合が連発し、修正コストが膨らみます。

単体テストや結合テストを省略すると、後工程でバグが多発。
「開発中に動いたから大丈夫」と過信するのは危険です。

レビューを形だけにすると、品質が個人のスキルに依存してしまいます。
ペアプログラミングや静的解析ツールを活用し、チーム全体で品質を担保することが大切です。

開発期間を短く見積もると、テストや調整の時間が取れず、結果的に納期遅延やバグ増加につながります。

開発フェーズは、システム開発の“心臓部”とも言えます。
正しい設計を忠実に実装し、チーム全体で品質を守ることで、「動く」だけでなく「信頼される」システムが完成します。