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失敗しないシステム開発入門|要件定義の重要性を徹底解説

JAPANWAVE編集部2025年10月28日読了時間: 4分
失敗しないシステム開発入門|要件定義の重要性を徹底解説

失敗しないシステム開発入門|要件定義の重要性を徹底解説

システム開発をスムーズに進めるうえで、最も大切なのが「要件定義」です。
どんなに優れたエンジニアやデザイナーが揃っていても、この段階をおろそかにすると、開発後に「思ってたのと違う…」という悲劇が待っています。

この記事では、システム開発の全体像から、要件定義で決めるべき内容、そしてよくある失敗パターンまでをわかりやすく解説します。

システム開発の大枠の流れ

まずは、システム開発の基本的なプロセスを押さえましょう。

  1. 要件定義:何を作るかを決める
  2. 基本設計:システム全体の構造を設計
  3. 詳細設計:各機能や画面の仕様を具体化
  4. 開発(実装):プログラミング作業
  5. テスト:バグや不具合の確認
  6. リリース:システムを本番環境へ公開
  7. 運用・保守:安定稼働・改善対応

この中で最初の「要件定義」は、後の全工程を左右する最重要フェーズです。

要件定義とは?

要件定義とは、「システムで何を実現したいのか」を明確にする工程です。

ここでは、クライアントや関係者とのヒアリングを通じて、以下を明確にしていきます。

  • 目的・背景:なぜこのシステムを作るのか
  • 課題の整理:現状の問題点は何か
  • 利用者像:誰が・どんなシーンで使うのか
  • 機能要件:システムが備えるべき機能
  • 非機能要件:性能・セキュリティ・運用面などの条件
  • スコープ:今回対応する範囲と、対応しない範囲の明確化

この段階で合意が取れていないと、開発が進んだ後に「これも入れて」「やっぱり要らない」といった手戻り地獄が発生します。

要件定義で決めるべきこと

要件定義では、以下のポイントをしっかり押さえておくことが成功のカギです。

項目

内容

業務フロー

ユーザーの行動やシステムの流れを整理する

機能一覧

必要な機能を漏れなく洗い出す

画面構成

どんな画面が必要か、簡単なワイヤーフレームを作成

データ項目

管理すべき情報やデータ構造を明確にする

運用ルール

誰がどのようにシステムを使うのかを定義

優先順位

「必須」「あれば便利」などで段階的に整理

これらを文書化し、クライアントと開発チームの間で認識を完全に一致させることが重要です。

よくある要件定義の失敗パターン

要件定義で失敗する典型的なケースを挙げます。

  1. 目的があいまいなまま進行する
     →「とりあえず便利なものを作りたい」では失敗確定。目的を明文化しましょう。
  2. 関係者の意見がバラバラ
     →営業・経営・現場担当者で意見が異なると、後から修正が膨大に。
  3. 機能を盛り込みすぎる(スコープ膨張)
     →「これも入れておこう」が積み重なり、予算と納期が崩壊。
  4. ドキュメント化されていない
     →口頭ベースの合意は後で「言った言わない」トラブルに。
  5. 非機能要件を軽視する
     →セキュリティ、パフォーマンス、保守性を後回しにすると運用後に炎上。

まとめ

要件定義は「システムの設計図を描く前の、設計図そのもの」です。
ここでの精度が高ければ高いほど、開発後のトラブルやコストが激減します。

ポイントをおさらいすると:

  • 要件定義は「何を」「なぜ」「どのように」を明確化する工程
  • クライアントと開発チームの認識を一致させる
  • 文書化しておくことで後工程の手戻りを防ぐ

システム開発は「走りながら考える」ではなく、「走る前に道を描く」ことが肝心です。
まずは要件定義を丁寧に、そして確実に。

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