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【自社事例】契約書はまずAIに読ませる。『契約書AIレビュー制度』を公開します

2026年7月12日読了時間: 9分
【自社事例】契約書はまずAIに読ませる。『契約書AIレビュー制度』を公開します
目次

契約書を受け取ったものの、内容を細かく確認する時間がなく、「おそらく問題ないだろう」とそのまま締結してしまった経験はないでしょうか。

特に、法務担当者や顧問弁護士がいない小さな会社では、契約書の確認が経営者や現場担当者の判断に任されがちです。

しかし、契約書には自動更新、損害賠償、競業避止、知的財産権など、後から事業に大きな影響を与える条項が含まれています。

そこで株式会社JAPANWAVEでは、すべての契約書を締結前に生成AIで確認する「契約書AIレビュー制度」を導入しました。

本記事では、実際の3ステップの運用方法、使用しているプロンプト、AIレビューで見つかった論点、弁護士へ相談する基準まで、自社の運用事例をもとに紹介します。

1. 契約書レビュー制度について

小さな会社ほど、契約リスクに対して無防備になりがちです。

大企業であれば、法務担当者や顧問弁護士が契約書を確認する体制があります。

一方で、自社のような小規模な会社やスタートアップでは、経営者や現場担当者が契約内容を自分で確認し、そのまま締結するケースも少なくありません。

契約書には、報酬や契約期間だけでなく、自動更新、損害賠償、競業避止、知的財産権、契約解除の条件など、事業に大きな影響を与える条項が含まれています。

しかし、日々の業務に追われていると、すべての条項を細かく読み込み、リスクを正確に把握するのは簡単ではありません。

そこでJAPANWAVEでは、契約書を受け取った際に「気が向いたらAIに確認する」のではなく、締結前に必ずAIレビューを通すことを社内ルールにしました。

契約書レビューは、担当者の知識や忙しさに左右される状態では意味がありません。

今回は金額が小さいから大丈夫だろう

相手が有名な会社だから問題ないだろう

以前と似た契約書だから、そのままでいいだろう

こうした判断が積み重なると、重要な条項を見落とす可能性があります。

そのため、契約金額や取引先にかかわらず、まずAIに契約書を読ませ、確認すべき論点を洗い出す運用に統一しました。

もちろん、AIに契約書を読ませれば、すべての法的リスクを防げるわけではありません。

AIは弁護士ではなく、最終的な法的判断を任せることもできません。

それでも、契約内容の曖昧な部分や、自社に不利になる可能性がある条項を事前に見つける「一次チェック」としては非常に有効です。

何も確認せずに締結する状態と、論点を把握したうえで相手に質問する状態では契約交渉の質が大きく変わります。

本記事では、株式会社JAPANWAVEが実際に運用している「契約書AIレビュー制度」を自社事例として公開します。

どのような手順で契約書を確認しているのか、AIから出た指摘をどう仕分けているのか、どのような案件を弁護士へ相談しているのかまで、実際の運用に沿って紹介します。

2. 契約書AIレビュー3ステップ

JAPANWAVEでは、契約書を締結する前に、次の3ステップでAIレビューを行っています。

重要なのは、AIツールを導入するだけではなく、「誰が担当しても同じ流れで確認する」制度として運用することです。

ステップ1 : 締結前の契約書を必ずAIに読ませる(例外なし)

取引金額や契約相手にかかわらず、契約書を受け取ったら、締結前に必ず生成AIへ読み込ませます。

「少額の契約だから問題ないだろう」「有名企業との契約だから安心だろう」といった理由で、レビューを省略することはありません。

人の判断に任せると、忙しい時期や契約内容によって確認の精度にばらつきが生まれます。

そこで、契約書を締結する前には例外なくAIレビューを通すことを、社内の共通ルールにしています。

AIには、契約内容の要約だけでなく、自社に不利な条件、曖昧な表現、将来的にトラブルにつながる可能性がある条項を指摘してもらいます。

ステップ2 : 指摘事項をの3つに仕分ける

AIから出た指摘は、そのまま受け入れるのではなく、内容に応じて次の3つに仕分けます。

そのまま締結OK

内容を理解したうえで、自社として許容できる条件です。一般的な条項や、事業への影響が小さい内容が該当します。

相手に確認

条件や表現が曖昧で、締結前に認識を合わせておきたい項目です。報酬の計算方法、契約期間、自動更新、経費負担、成果物の範囲などが該当します。

弁護士に相談

高額な損害賠償、広範囲な競業避止、知的財産権の帰属など、自社だけでは判断が難しい項目です。事業への影響が大きい場合は、AIの回答だけで判断せず、専門家へ相談します。

この仕分けを行うことで、すべての指摘に過剰反応することなく、本当に確認すべき論点へ集中できます。

ステップ3:確認事項を文面化し、回答を記録に残す

相手への確認が必要な項目は、口頭ではなく、メールやチャットで質問します。

AIの指摘内容をそのまま送るのではなく、相手が回答しやすいように、具体的な質問へ置き換えることがポイントです。

例えば、報酬の計算基準が曖昧な場合は、次のように確認します。

本契約の報酬について、売上金額から経費等を差し引いた金額を基準に計算する認識でよろしいでしょうか。

また、差し引かれる費用の具体的な項目についてもご教示いただけますでしょうか。

相手からの回答もメールやチャット上に残し、契約書とあわせて保管します。

契約書自体を修正しない場合でも、締結前にどのような確認を行い、双方がどのような認識で合意したのかを記録しておくことで、後から認識の食い違いが起きるリスクを減らせます。

3. 実例:実際にAIレビューで見つかった論点

実際に契約書をAIで確認すると、自分たちだけでは見落としやすい条件や、解釈が分かれそうな表現が見つかりました。

例:業務委託契約書

システム開発を外部の事業者へ委託する際に、業務委託契約書をAIでレビューしました。

契約には、初期構築費、月々の保守費用、成果に応じた報酬が含まれていましたが、それぞれの対象業務や支払い条件が明確に分かれていませんでした。

そこで、次の点を相手方へ確認しました。

  • 初期構築費に含まれる作業範囲
  • 保守費用で対応する業務内容
  • 成果報酬が発生する条件と計算方法
  • 追加作業が発生した場合の費用

確認内容をメールで残したことで、どの業務がどの報酬に含まれるのかが明確になり、契約後の追加費用や認識の食い違いを防ぎやすくなりました。

4. 実際に使っているプロンプトとチェック観点

JAPANWAVEでは、契約書をAIへ読み込ませる際に、毎回同じ形式のプロンプトを使用しています。

4.1 実際に使っているプロンプト

あなたは企業法務に詳しい契約書レビューの専門家です。
添付した契約書を、当社の立場からレビューしてください。

次の内容を分かりやすく整理してください。

  1. 契約内容の要約
  2. 当社に不利になる可能性がある条項
  3. 内容が曖昧で、相手へ確認すべき点
  4. 将来的なトラブルにつながる可能性がある点
  5. 弁護士へ相談した方がよい項目

各指摘について、該当する条文、想定されるリスク、相手への確認事項を表形式でまとめてください。

なお、契約書に書かれていない内容を推測せず、判断できない点は「要確認」としてください。

4.2 固定して確認する項目

AIの回答に漏れが出ないよう、次の項目は毎回確認しています。

  • 契約期間と自動更新
  • 中途解約や契約解除の条件
  • 損害賠償や免責の範囲
  • 競業避止の対象と期間
  • 知的財産権の帰属
  • 報酬や経費の計算方法
  • 追加作業が発生した場合の費用
  • トラブル時の管轄裁判所

AIの指摘だけに頼るのではなく、固定のチェックリストと組み合わせることで、重要な条項の見落としを防ぎやすくなります。


5. この制度の限界:AIは弁護士ではない

  • AIができるのは論点の洗い出しと優先順位づけまで。法的判断はできない
  • JAPANWAVEの社内基準:「どんな案件は弁護士に回すか」の線引きを公開
  • 高額・長期・知財が絡む契約は専門家へ、という運用ルール

6. 導入して変わったこと

  • 交渉の質:指摘を根拠に確認メールを送れるようになり、条件の曖昧さが減った
  • 心理面:「読んだつもりでハンコ」の不安からの解放
  • コスト面:全件を弁護士に依頼する場合との使い分けができるようになった

7. あなたの会社で同じ制度を作るには

  • 最小構成:ツール+チェックリスト+「締結前に必ず通す」ルールの3点セット
  • つまずきやすいポイント(機密情報の扱い、ツール選定)
  • 生成AI研修・顧問サービスへの導線(CTA)

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