Column
AIエージェント

【第1回|AI社員の作り方】AIソロプレナーとは?「一人+AI社員」で事業を動かす働き方

JAPANWAVE編集部2026年9月10日読了時間: 8分
【第1回|AI社員の作り方】AIソロプレナーとは?「一人+AI社員」で事業を動かす働き方
目次

事業を運営していると、やるべき仕事は次々に出てきます。

商品やサービスを考える。市場を調べる。Webサイトを作る。営業する。問い合わせに対応する。

一人で事業を進めていると、「アイデアはあるけれど、実行する時間が足りない」と感じることもあるのではないでしょうか。

そこで、このシリーズで紹介するのが、「一人+AI社員」で事業を動かす、AIソロプレナーという働き方です。

人間が事業の方向性を決め、AIに役割を持たせて仕事を任せる。自分ですべてを抱え込まず、AIと分担しながら事業を進めていきます。

第1回では、AIソロプレナーの考え方と、人間とAI社員の役割、そして自分専用のAI組織の全体像を紹介します。

AIソロプレナーとは?

ソロプレナーとは、基本的に一人で事業を運営する起業家のことです。

このシリーズでは、AIを業務に組み込み、一人を中心とした体制で事業を作り、運営する人を「AIソロプレナー」と呼びます。

例えば、次のような役割分担です。

担当

主な役割

人間

事業の方向性を決める、顧客と話す、成果物を確認する、最終判断をする

AI社員

市場調査、文章の下書き、資料作成、開発の補助などを担当する

目指すのは、人間が何もしなくても売上が生まれる仕組みではありません。

AIに任せられる作業を増やし、自分は判断や顧客との対話に時間を使える状態を作ることです。

また、一人で事業を運営するからといって、すべてを自分とAIだけで完結させる必要はありません。専門家や外部パートナーの力も借りながら、自分に合った体制を作っていきます。

「AI社員」とは何か?

このシリーズでいうAI社員とは、特定の役割と業務を担当するように、指示・知識・手順・ツールを整えたAIの仕組みです。

実際に雇用する社員ではなく、仕事を分担するイメージをわかりやすく表した呼び方です。

例えば、市場調査を担当するAI社員なら、次のように仕事を決めます。

項目

設定する内容の例

役割

新規事業の市場調査担当

受け取る情報

商品の概要、ターゲット、調べたい地域

業務手順

候補を探し、情報源を確認し、比較する

成果物

出典付きの競合比較表

人間の確認

情報の正確性と、事業判断に使える内容かを確認する

その場で「競合を調べて」と頼むだけでなく、何を調べ、どの形式でまとめ、どこまで進めてよいかを決めておきます。

こうすることで、繰り返し発生する仕事を、一定の手順で任せやすくなります。ただし、指示を整えたからといって、毎回正しい結果が出るとは限りません。成果物を確認し、必要に応じて改善することも運用の一部です。

AIに質問する使い方から、仕事を任せる使い方へ

AIに文章を要約してもらったり、アイデアを出してもらったりするのも、便利な使い方です。

AI社員を作るときは、そこから一歩進めて、一つの業務をどのように進めてもらうかを設計します。

例えば、営業資料を作る場合です。

「営業資料を作って」と依頼するだけでは、商品説明や対象顧客、資料の構成を、その都度伝える必要があります。

そこで、あらかじめ次の情報を用意します。

  • 自社の商品・サービス情報
  • 想定する顧客と、その顧客が抱える課題
  • 資料の構成や文章のトーン
  • 料金など、勝手に変更してはいけない情報
  • 完成後に人間が確認する項目

準備ができれば、案件ごとの顧客情報や提案内容を渡して、下書きを作ってもらいやすくなります。

単発の質問をするだけでなく、繰り返し使える仕事の仕組みを作る。これが、AI社員を考えるうえでのポイントです。

人間は何を担当するのか?

AIに仕事を任せるためには、人間が担当することも明確にしておく必要があります。

特に大切なのは、次の3つです。

1. 事業の方向性を決める

誰の、どんな課題を解決するのか。何を売り、どのような価値を届けるのか。

AIに候補や判断材料を出してもらうことはできますが、自分が取り組む事業の方向性は、自分で決めます。

選択肢を増やすことと、一つを選んで実行することは、別の仕事です。

2. 現場で確かめる

顧客と話す。商品を試す。取引先と条件を調整する。

例えば、抹茶を販売するなら、AIに仕入先候補の調査や比較を任せることはできます。しかし、実際に試飲して味や香りを確かめるには、人間による確認が必要です。

画面上の情報だけで判断せず、現場で得た情報を事業に反映させます。

3. 成果物を確認し、最終判断する

AIが作成した文章や資料には、誤った情報や、意図と違う表現が含まれることがあります。

顧客への提案、外部への公開、支払いなど、影響の大きい仕事では、どこで人間が確認するかを決めておきます。

「AIに任せる範囲」と「人間が判断する範囲」を分けることが、安心して運用するための土台になります。

自分専用のAI組織の全体像

複数のAI社員に役割を持たせると、仕事を分担する小さな組織として考えられます。

例えば、次のような構成です。

AI社員

担当する仕事の例

リサーチ担当

市場・競合・仕入先候補の情報を整理する

マーケティング担当

ブログやSNS投稿の下書きを作る

営業支援担当

顧客情報を整理し、提案文や営業資料を作る

開発担当

Webサイトや業務ツールの実装・修正を進める

問い合わせ対応担当

問い合わせを分類し、返信案を作る

ただし、最初からすべての担当を作る必要はありません。

また、担当ごとに別のAIサービスを契約するという意味でもありません。同じツールの中で、指示や参照する情報を分けて役割を持たせる方法もあります。

大切なのは人数を増やすことではなく、必要な仕事が、必要な品質で進むようにすることです。

仕事をつなぐ場合も、例えば「リサーチ担当が調査 → 人間が提案方針を決定 → 営業支援担当が資料を作成 → 人間が確認」という形で、判断のタイミングを組み込みます。

最初は、一つの仕事から始めよう

AIソロプレナーを目指すとき、最初から事業全体を自動化しようとすると、準備や管理が複雑になります。

まずは、繰り返し発生し、手順がある程度決まっていて、成果物を確認しやすい仕事から始めましょう。

例えば、次のような仕事です。

  • 打ち合わせメモから、議事録と次のアクションを整理する
  • 自社の商品情報をもとに、SNS投稿の下書きを作る
  • 競合の公開情報を調べ、比較表にまとめる
  • 問い合わせ内容を分類し、返信案を作る

導入後は、作業が速くなったかだけでなく、確認や修正にどれくらい時間がかかったかも振り返ります。

下書きがすぐに完成しても、修正に長時間かかるなら、任せる範囲や指示を見直す必要があります。

一つの仕事で使える形を作り、改善してから次の仕事へ広げる。この積み重ねで、自分専用のAI組織を育てていきます。

まとめ

AIソロプレナーとは、AIを業務に組み込み、「一人+AI社員」で事業を作り、運営する働き方です。

人間が方向性を決め、AIに役割と手順を渡して仕事を任せる。そして、成果物を確認しながら、任せられる範囲を少しずつ広げていきます。

最初の一歩は、AIツールをたくさん導入することではありません。自分の仕事を整理して、何を任せたいのかを明確にすることです。

次回は、「自分の業務を棚卸しして、AIに任せる仕事を見つけよう」をテーマに、普段の仕事を「人間がやる」「AIに補助してもらう」「AIに任せる」の3つに分類していきます。

Web・AIシステム開発をお考えの方へ

要件定義から開発・運用保守まで、WebアプリケーションやAIソリューションの開発をフルスタックで支援します。この記事のような技術を、貴社のビジネスに実装します。

この記事をシェア

※ 本記事の内容は、執筆時点での情報に基づいています。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 また、記載されている内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の状況に対する専門的なアドバイスではありません。 ご利用にあたっては、必要に応じて専門家にご相談ください。