【AI時代のプロダクト開発】第1回:勝てるアイデアの選定と「捨てる」ための判断基準
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【AI時代のプロダクト開発】第1回:勝てるアイデアの選定と「捨てる」ための判断基準
生成AI技術の民主化により、かつてないスピードで高度なアプリケーションを構築できる時代が到来しました。
開発のハードルが下がった今、プロダクトの成否を分けるのは技術力そのものではなく、「何を解決するために、何を作るか」という本質的な意思決定に集約されています。
本連載では、弊社における最新のAIプロダクト開発プロジェクトを実例に、着想からリリースに至るまでのプロセスを全9回にわたって詳説します。
第1回となる今回は、プロジェクトの起点となる「アイデアの着想」と、市場性のない候補を冷徹に排除する「ボツ案を捨てる技術」について解説します。
1. AI時代のプロダクト着想:3つの戦略的アプローチ
AIを主軸とした新規事業やプロダクト開発において、弊社が採用している着想のアプローチは主に以下の3点です。
① 「現場の不便」を自動化する(課題駆動型)
特定の業界や日常業務において、いまだに人力で行われている「非効率な定型・準定型作業」をAIで代替します。
- 具体例: 複雑な契約書からの重要項目抽出・リスク検閲、カスタマーサポートの一次回答自動化など。
② 「先端技術」の可能性から逆算する(技術駆動型)
LLM、マルチモーダルAI、AIエージェントといった最新技術で「何が可能になったか」を起点に、これまでにない体験を設計します。
- 具体例: 複数のツールを横断して自律的にタスクを完遂するAIエージェント、画像とテキストを組み合わせた高度な推論エンジンなど。
③ 「既存サービス」のAIによる再定義(再構築型)
すでに市場で検証済みのサービスに対し、AIを「機能」としてではなく「設計の核」として組み込み、圧倒的なUXの向上を図ります。
- 具体例: 従来の検索型SaaSから、AIが最適な回答を生成して提案する「AIネイティブ」な管理ツールへの転換。
2. 3つの厳格な選定基準
たくさんアイデアが生まれたら、つぎにどうやって絞り込めば良いのかなの基準について説明しようと思います。
① 「AIならでは」の価値があるか
従来のプログラミング(If-Thenのルール設定)で解決できる課題に、わざわざ高コストなAIを使う必要はありません。
「言葉の裏にあるニュアンスを汲み取る」「正解が一つではない複雑な判断を下す」といった、AIだからこそ突破できる「曖昧さ」を含んだ課題かを厳しく問います。
② 「最速で市場に問える」か
AI技術の進化は凄まじく、時間をかけて完璧を目指すのはリスクでしかありません。
アイデアを思い立ってから1〜2週間以内に、主要機能を備えた試作品(MVP)をリリースできるかを重視します。
まずは世に出し、ユーザーの「生の声」を拾いながら磨き上げるスピード感が、AI開発の生命線です。
③ 「独自の強み」が積み上がるか
単に「AIを呼び出すだけ」のツールは、すぐに競合に真似されます。プロダクトが使われれば使われるほど、独自のデータが蓄積し、学習によって精度が向上していくが回るか。
使い続けるほどに他社が追随できない「参入障壁」が築けるかどうかが、長期的な勝敗を分けます。
3. 誰の、どんな課題を解決するのか(ターゲット設定の解像度)
アイデアの方向性が定まった後、弊社が最も時間を割いたのが「ターゲットユーザーの解像度向上」です。
本プロジェクトでは、以下の3点を極限まで具体化しました。
- ターゲット: 〇〇(例:月間100件以上の問い合わせに対応するEC運営企業のCS担当者)
- 抱えている課題: △△(例:マニュアルが膨大で、回答を探す作業に業務時間の30%を費やしている)
- 解決策: AIを活用した〇〇機能により、回答作成時間を10分の1に短縮し、属人化を解消する
このターゲット設定が曖昧なまま開発を強行すると、技術的に高度であっても「誰の役にも立たないプロダクト」に終わるリスクがあるためです。
まとめ:最初の判断が、最終的な勝率を決める
プロダクト開発において、最初の一歩である「アイデア選定」は、その後の成否を左右する最も重要なフェーズです。「何を作るか」と同じくらい「何を作らないか」という確固たる判断基準を持つことで、プロジェクトの成功率は飛躍的に高まります。
次回の記事では、「ダメなアイデアの見極め方」についてさらに詳しく深掘りします。アイデアが「熱狂」から「確信」に変わるまでに必要な、冷静な分析軸を紹介します。
※ 本記事の内容は、執筆時点での情報に基づいています。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 また、記載されている内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の状況に対する専門的なアドバイスではありません。 ご利用にあたっては、必要に応じて専門家にご相談ください。