【絶対NG】失敗するAIコンサル会社の探し方~その「魔法」に騙されるな~
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AIブームに伴い、雨後の筍のように増えた「AIコンサルティング会社」。「自社にもAIを導入して業務効率化したい!」と思っても、どこに頼めばいいか分からず困っていませんか?
今回は、「もしあなたがAI導入プロジェクトを『失敗』させたいなら、こういう会社を選べば確実です」という、逆説的な視点から避けるべきAIコンサルの特徴を5つ紹介します。
エンジニアではない経営者や担当者の方が、うっかり「ハズレくじ」を引かないためのチェックリストとしてご活用ください。
1. 「AIで何でもできます!」と自信満々に言う
AIで何でもできますというコンサル会社は避けた方が良いと思います。
営業トークで「ChatGPTなら何でもできます」「精度100%を目指せます」といった甘い言葉が出てきたら、それは危険なサインだと思ってください。
なぜなら、現在のAI技術に「完璧」は存在しないからです。
生成AIは非常に優秀ですが、もっともらしく嘘をつく「ハルシネーション」という現象が起きたり、セキュリティ面でのリスクがあったりと、明確な「得意・不得意」があります。
それを無視して「何でもできる」と言うのは、AIの特性を理解していないか、契約を取りたいだけの可能性があります。
逆に、本当に信頼できる会社は、夢のような話ばかりしません。
「AIで効率化できるのはここまでです。ここから先の最終判断は、人の手で行う必要があります」 このように、「できないこと」や「リスク」を最初に正直に説明してくれる会社こそ、誠実で失敗しないパートナーだと言えます。
2. 専門用語で煙に巻いてくる
打ち合わせ中、聞いたこともない横文字を並べ立てられ、置いてきぼりにされた経験はありませんか?
そういう会社も、失敗への近道です。
例えば、「LLMのファインチューニングにおいて、RAG構成のベクターデータベースが…」といった専門用語を、エンジニアではない担当者に向かって、解説なしで連発してくる会社は危険信号です。
これでは意思疎通ができず、プロジェクトが迷走する原因になります。
本当に賢いコンサルタントは、難しい技術の話を「中学生でも分かる言葉」に置き換えて説明してくれます。あえて難解な言葉を使ってマウントを取ってくるのは、あなたの会社の「ビジネス課題」を解決することよりも、自分たちが「最新技術を使いたいだけ」である可能性が高いのです。
良いパートナーを見極めるポイントは、技術のスペック自慢ではなく、「御社の業務フローの、具体的にどこに無駄があるか」というビジネスの話に時間を使ってくれるかどうかです。手段(AI)と目的(課題解決)を履き違えていない会社を選びましょう。
3. 「とりあえずPoC(実証実験)やりましょう」が口癖
「とりあえずビール」の感覚で、「とりあえずPoC(検証)から始めましょう」と提案してくる会社も、実はかなり危険です。
「とりあえず」で始まったプロジェクトは、結果も「とりあえず」で終わってしまうことが多いからです。
危険なサインは、具体的なゴールの数値(ROI:投資対効果)を決めずに、「まずは動くものを作ってみましょう」と提案されるパターンです。
これに乗ってしまうと、どうなるでしょうか?
多くの場合、「なんとなく動くおもちゃ」が出来上がって満足し、そこでプロジェクトが終了してしまいます。これがいわゆる「PoC疲れ(検証疲れ)」と呼ばれる現象です。
現場で毎日使い続けるための運用ルールや、継続的なコスト計算が抜け落ちているため、ビジネスでは使い物にならないのです。
一方で、成功させてくれる会社は「出口戦略」を最初に握ってきます。
「実証実験の後、どのような結果が出れば『成功』とみなし、本採用しますか?」 このように、ゴールの基準を最初に合意してから動き出す会社こそ、最後まで責任を持って伴走してくれるパートナーです。
4. あなたの会社の「データ」に興味がない
AIの賢さは、実はAIそのものの性能よりも、読み込ませる「データ(教科書)」の質で決まることをご存知でしょうか?
ここを見落としている会社は非常に危険です。
例えば、あなたの会社に「どんなマニュアルがあるか」「データは整理されているか」を確認もしないまま、「最新のAIモデルを使えば大丈夫です」と安請け合いするような会社です。
IT業界には「Garbage in, Garbage out(ゴミを入れれば、ゴミが出てくる)」という有名な格言があります。どんなに優秀なAIであっても、整理されていない古い情報や、間違いだらけのデータを読み込ませれば、当然ながら「ゴミのような回答」しか出てきません。
これでは業務効率化どころではありません。
逆に、本当に良い会社は、いきなりAIを導入しようとはしません。 「まずは社内データの整理や、マニュアルのデジタル化といった、泥臭い作業から始めましょう」 このように、一見遠回りで耳の痛い提案をしてくれる会社こそ、AI活用の本質を理解している信頼できるパートナーです。
5. 「開発」はするが「教育」はしない
AIシステムを作って納品し、「はい、さようなら」。 実はこれが、AI導入プロジェクトにおける一番の失敗パターンです。
見積もりの段階で、現場のスタッフがAIをどう使うか、使えない時にどうフォローするかという「定着支援」のプランが含まれていない会社は避けるべきです。
なぜなら、AI導入の最大の壁は「技術的な難しさ」ではなく、「現場の拒否反応」だからです。
「使い方が難しそう」「AIに仕事を奪われるんじゃないか」……そんな現場の不安や抵抗感を放置したままツールだけ渡しても、結局は誰も使わず、高い費用が無駄になってしまいます。
本当に良い会社は、AIを開発することと同じくらい、「人への教育」に熱心です。
「現場スタッフ向けの研修会を開きましょう」「誰でも読めるマニュアルを作りましょう」 このように、システムを作って終わりではなく、現場がそれを使いこなせるようになるまで伴走してくれる会社を選びましょう。
まとめ:成功するパートナーを見抜く「魔法の質問」
もし、目の前の業者が「怪しいな」と思ったら、こう質問してみてください。
「御社の過去のプロジェクトで、うまくいかなかった事例と、その原因を教えてください」
失敗するAIコンサルは、「失敗事例はありません」と答えるか、答えに窮します。
信頼できるパートナーは、「過去にこういう失敗がありましたが、それを教訓に現在はこう改善しています」と、正直に話してくれるはずです。
AI導入は、魔法ではなく「新しい優秀な新人を育てる」ようなものです。 甘い言葉に惑わされず、一緒に泥臭く走ってくれるパートナーを見つけてください。
※ 本記事の内容は、執筆時点での情報に基づいています。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 また、記載されている内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の状況に対する専門的なアドバイスではありません。 ご利用にあたっては、必要に応じて専門家にご相談ください。