業務改善に直結するAIアプリ開発 ── 翻訳自動化の実装事例
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はじめに
インバウンド向けYouTube動画の制作現場で「日本語からの英語翻訳に時間がかかる」という課題を抱えていたお客様とともに、私たちはAIを活用した解決策を形にしました。
開発開始からわずか数日で成果を実感できたこの取り組みは、業務効率化だけでなく、今後の新しい挑戦へとつながっています。
本記事では、その背景とアプリケーションの技術的な工夫について解説します。
アプリケーション概要
今回構築したのは、Premiere Pro 用テロップ CSV を日本語から選択言語(例:簡体字・繁体字中国語など)へ一括翻訳し、ダウンロード可能にする Web アプリです。
従来は人手で0から行っていた翻訳作業を大幅に効率化し、動画制作のスピードアップとコスト削減を実現しました。
利用技術と構成
開発した、翻訳自動AIアプリの利用技術と構成について簡単に説明します。

今回は Supabaseサービスを裏側の仕組みとしてメインに利用 しました。
選定理由は「スタートアップ規模の開発でもスピード感を持って構築でき、かつ運用負荷を減らせる」点です。
① ユーザー → アプリ
ユーザーはWebアプリを通じて、翻訳したいPremiere Pro用CSVファイルをアップロードしたり、翻訳結果をダウンロードします。
フロントエンドにはNext.jsを採用し、Supabase公式SDK(@supabase/supabase-js)を利用してバックエンド機能と連携しました。
短期間でUIを構築できるだけでなく、認証・DB・ストレージへの接続も統合的に扱えます。
② Supabase Auth(認証機能)
認証はSupabase Authで実装しました。
今回のアプリは特定の利用者を対象としており、Google OAuthなどの複雑な仕組みは不要です。
Supabase Authにより、最小限のコードで安全なユーザー認証を実装でき、スピード感を重視した開発に適していました。
③ Supabase Postgres(データベース)
データ管理にはSupabase Postgresを採用しました。
翻訳ジョブ履歴やクレジット残高などのデータはリレーショナル型で管理するのが自然です。
SupabaseはフルマネージドなPostgresを提供しており、スキーマ設計の柔軟性と運用負荷の低減を両立できます。
SQLベースなので、将来的なデータ分析や拡張も見据えやすい点が利点です。
④ Supabase Storage(ストレージ)
字幕CSVファイルは比較的大きくなるため、DBに直接保存するのは効率的ではありません。
そのためSupabase Storageを利用し、アップロードされたCSVを安全に保管しました。
さらにPostgresと連携してアクセス制御を行い、翻訳履歴やユーザーごとのファイル管理を簡潔に実現しました。
⑤ Supabase Edge Functions(非同期処理)
翻訳処理は数十秒〜数分かかる場合があり、同期処理ではタイムアウトのリスクが生じます。
そのためSupabase Edge Functionsを使い、リクエストを非同期的に処理しました。
これにより、ユーザーは安定した操作感を得られ、バックエンド側でも処理の分離・スケーラビリティを確保できます。
実際の翻訳にはOpenAI API (gpt-4o)を利用しました。
従来の翻訳APIでは字幕特有の文脈やニュアンスが崩れることがありますが、gpt-4oは高い文脈理解力と自然な表現力を持ち、短時間で人手翻訳に近い品質を出力できます。
またCSVの列構造を保持しつつ、テキスト部分のみ翻訳できる柔軟性も実装の大きなポイントでした。
導入効果
- 翻訳にかかる業務時間を大幅削減
- 翻訳コスト(人件費)の削減
- 動画制作全体のスピード向上
実際のお客様からも「数日で成果を実感できた」と評価いただいています。
詳細はこちらをご覧ください:
まとめ
今回の事例は「翻訳業務の改善」という明確な課題からスタートしましたが、成果を実感したことで新しいクリエイティブへの挑戦にもつながっています。
私たちは今後も、お客様の業務課題を解決し、新しい可能性を形にする開発パートナーであり続けたいと考えています。
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※ 本記事の内容は、執筆時点での情報に基づいています。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 また、記載されている内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の状況に対する専門的なアドバイスではありません。 ご利用にあたっては、必要に応じて専門家にご相談ください。