【FDE完全入門 8/8】AI時代のエンジニアはどう変わる?FDEの将来性と働き方

目次
「FDE完全入門」連載・第8回(全8回)
AIがコードを書くのを手伝ってくれると、エンジニアの仕事はどう変わるのでしょうか。
「これからはFDEを目指した方がよいのか」と気になる人もいるかもしれません。
今の段階で、すべてのエンジニアがFDEになると決めつけることはできません。
必要な仕事は、会社や製品によって違います。
最終回では、現在の求人から分かることと、これから起こりそうなことを分けて考えます。
今の求人から分かること
OpenAIの東京FDE求人には、試作品を作るところから、実際の業務で安定して使えるようにするところまで担当すると書かれています。
使われるようになったか、業務にどんな変化があったかも重視しています。
これは2026年10月23日に確認した、一つの求人の例です。
この例から分かるのは、作った後まで関わる仕事があるということです
。FDEという職種が今後どれだけ増えるか、給与が上がるかまでは分かりません。
アプリが早く作れても、残る仕事がある
問い合わせに答えるAIを考えてみましょう。
回答画面ができても、すぐに使い始められるとは限りません。
社内の資料が古いかもしれません。
部署ごとに答えが違うこともあります。
その場合は、「どの資料を正しいものとして使うか」「分からない質問は誰に渡すか」を決める必要があります。
画面を作る速さだけでは、これらの問題は解決しません。
何を任せるかを決める
AIが回答を作れるからといって、すべての質問に自動で返信する必要はありません。
最初は下書きだけを作り、担当者が確認してから送る方法もあります。
何を自動にして、どこで人が確認するか。利用者と話しながら決めることも、開発の一部です。
使ってみた結果を確かめる
回答を作る時間が短くなっても、間違いを直す時間が増えたら、全体では楽になっていないかもしれません。
実際に使う人に聞き、作業の流れ全体を見直します。
使い方の説明や、困ったときの連絡先も必要です。
こうした仕事はFDEだけのものではありません。
SEや社内の開発担当者などにも関わる力です。
これからのFDEに考えられる3つの変化
ここからは、将来についての考察です。確定した予測ではありません。会社によって、違う変化が同時に起こる可能性もあります。
1.難しい導入を支える仕事として残る
古いシステムが多く残る会社や、部署ごとに仕事の進め方が違う会社では、AIを入れるだけでは使えない場合があります。現場の事情を調べ、仕組みをつなぎ直す人が必要になるでしょう。
こうした場面では、FDEが役立つ可能性があります。
ただし、一人ですべてを解決するわけではありません。業務の担当者や、安全面を確認する担当者と協力して進めます。
2.簡単な導入は、人の手が減る
よくある使い方が製品の標準機能になれば、毎回専用のプログラムを作る必要は減るかもしれません。
設定を選ぶだけで使えるなら、個別の導入支援が少なくて済む場合もあります。
そのときは、同じ作業を何度も行うより、次の顧客が簡単に使える仕組みを作る仕事が増える可能性があります。
例えば、毎回手作業で行っていた設定を、共通の画面でできるようにする仕事です。
3.別の職名で、同じような仕事をする
FDEという名前を使わず、AIエンジニアや導入支援担当が似た役割を担う会社も考えられます。
職名だけで探すと、自分に合う仕事を見落とすかもしれません。
求人では、「利用者と直接話すか」「自分でも開発するか」「使い始めた後の改善も担当するか」を見てみましょう。
名前より、仕事の中身を比べる方が判断しやすくなります。
FDEがいれば、すべて解決するわけではない
顧客の希望を何でも引き受けると、特別な機能が増えすぎることがあります。
作った本人しか直せない状態になれば、休みを取るときも引き継ぐときも困ります。
作る範囲を決め、他の人が読める説明やテストを残すことが大切です。
データを使ってよいか、誰が最終判断をするかも、会社として決める必要があります。
また、AIを使わない方が簡単に解決できる課題もあります。
例えば、古い資料を整理するだけで、探し物が減るかもしれません。
Anthropicも設計の解説で、できるだけ単純な方法から始めることを勧めています。
AIを導入すること自体を目的にしない姿勢は、仕事を考えるうえでも役立ちます。
出典:Anthropic「Building effective agents」
今からできる、小さな一歩
FDEに関心があっても、今の得意分野を捨てる必要はありません。
まずは、自分が作ったものを使う人に、困っていることを聞いてみましょう。
例えば、毎週の報告書づくりが大変だと言われたら、どの作業に時間がかかるかを一緒に確認します。
集計なのか、文章を書くことなのか、確認待ちなのかで、必要な改善は変わります。
一つだけ改善し、使ってもらい、前より楽になったかを確かめます。
うまくいかなかった点も記録しましょう。
小さくても、相談から改善まで経験すると、自分がこうした働き方を楽しめるかも分かります。
まとめ:肩書きより、どんな仕事をしたいか
FDEは、利用者と話しながら開発し、使えるようになるまで関わりたい人にとって、検討できる仕事です。
一方で、一つの技術を深く追究する働き方にも価値があります。誰にとってもFDEが最善とは限りません。
この連載で紹介してきたのは、困りごとを聞き、作り、使ってもらい、直すという流れです。
職名にこだわりすぎず、まずは今の仕事で一つ試してみてください。
学び方は第4回、具体的な進め方は第6・7回を振り返ると、次の一歩を考えやすくなります。
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