MCP

Chrome DevTools MCP — AIに「目」を与えるデバッグ革命

JAPANWAVE編集部2025年10月2日読了時間: 7分
Chrome DevTools MCP — AIに「目」を与えるデバッグ革命

AIによるコーディング支援(ChatGPT, Claude, GitHub Copilot など)が当たり前になってきましたが、1つ大きな限界があります。

AIは“コード”は生成できても、それが“ブラウザ上でどう動いているか”を自分の目で見ることができない。

例えば、CSSが崩れていたり、コンソールエラーが出ていたり、画像の読み込みが遅かったりしても、AIはそれを知ることができません。
これが、「AIが完全に開発者を代替できない最大の理由」とも言えます。

そこで登場したのが Chrome DevTools MCP(Model Context Protocol Server)

Googleが公式ブログで公開したこの仕組みは、一言で言うと…

「AIがChromeのDevToolsを直接操作し、ページの状態を“見て判断できるようにする技術」です。

Google公式サイト:https://developer.chrome.com/blog/chrome-devtools-mcp?hl=ja

Chrome DevTools MCPとは何か?

Chrome DevTools MCPは、AIエージェント(ChatGPT / Claudeなど)とChromeブラウザのDevToolsをつなぐ“通訳サーバーです。

AIクライアント(Claude Desktopなど)からの指示を受け、

  • 「このボタンをクリックして」
  • 「コンソールログを見せて」
  • 「CSSが崩れてないかチェックして」
  • 「LCPが遅い原因を調べて」

といった操作を 人間の代わりに Chrome DevTools に命令して実行させる ことができます。

できることの例

分類

AIができるようになる操作

✅ ページ操作

ページ遷移 / リロード / タブ追加

✅ ユーザー操作

クリック / フォーム入力 / ドラッグ

✅ コンソール解析

console.log やエラーの取得

✅ ネットワーク監視

APIリクエスト一覧の取得

✅ パフォーマンス解析

LCP / FCP / スクリプトブロッキング診断

✅ DOM / CSS取得

要素構造やスタイルの確認

セットアップ方法(ClaudeCode)

Claude Code に Chrome DevTools MCP サーバーを追加するたけで利用可能です。

claude mcp add chrome-devtools npx chrome-devtools-mcp@latest

利用例

> https://www.youtube.com/

MCP経由でこれのコンソールエラー確認して

⏺ YouTubeのコンソールエラーを確認します。
  ⎿  # list_pages response
     ## Pages
     0: about:blank [selected]

⏺ YouTubeにアクセスします。

⏺ chrome-devtools - navigate_page (MCP)(url: "https://www.youtube.com/")
  ⎿  # navigate_page response
     ## Pages
     0: https://www.youtube.com/ [selected]

⏺ コンソールメッセージを確認します。
  ⎿  # list_console_messages response
     ## Console messages
     Info> rs=AGKMywFD5qwcFhfs-NI9IxTGjC3H5xAICQ:9750:8: LegacyDataMixin will be applied to all legacy elements.
     … +41 lines (ctrl+o to expand)

⏺ YouTubeのコンソールには以下のエラーが検出されました:

  主なエラー

  1. 動画再生エラー (403 Forbidden)

  - エラー: videoplayback リソースの読み込みに失敗(ステータス403)
  - 原因: 動画再生URLに対するアクセスが拒否されています
  - 頻度: 複数回(6回以上)同じエラーが発生

  2. プリロードリソース未使用

  - 警告: https://i.ytimg.com/generate_204 がプリロードされたが、ウィンドウのloadイベント後数秒以内に使用されていない
  - 推奨: 適切なas値を設定し、意図的にプリロードされているか確認が必要

  その他の情報メッセージ

  - LegacyDataMixin: レガシー要素に適用される警告(機能的な問題ではない)
  - Install Banner: インストールプロンプトイベントがpreventDefault()で呼ばれたため、バナーが表示されていない

  分析

  403エラーが繰り返し発生しているのは、動画再生URLの署名検証やアクセス制御に関連している可能性があります。これはYouTube側の仕様またはbot検出による制限かもしれません。

人間の代わりにコンソールのエラーを発見してくれましたね!便利

なぜこれは革命的なのか?

従来

Chrome DevTools MCP導入後

AIはコードを書くが、動作確認は人間がする必要がある

AIがブラウザ上で動作を観察し、自分で判断して修正できる

CSSの崩れやJSエラーは「見えない」

AIが自動で「見える」→分析できる

パフォーマンス調査は手作業

AIがトレース→原因→改善案まで提案

まとめ

項目

内容

何の技術?

AIとChrome DevToolsをつなぐMCPサーバー

何が嬉しい?

AIが“実行環境を見ながらデバッグ”できるようになる

誰が得する?

Webエンジニア / QA / E2Eテスト / パフォーマンス改善担当

未来はどうなる?

AIが「コードを書く」だけでなく「動かして直す」時代へ

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※ 本記事の内容は、執筆時点での情報に基づいています。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 また、記載されている内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の状況に対する専門的なアドバイスではありません。 ご利用にあたっては、必要に応じて専門家にご相談ください。