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【最新】Claude Codeの新機能「Agent Skills」とは?AIを専門家にする仕組みを徹底解説

JAPANWAVE編集部2025年12月27日読了時間: 7分
【最新】Claude Codeの新機能「Agent Skills」とは?AIを専門家にする仕組みを徹底解説

【最新】Claude Codeの新機能「Agent Skills」とは?AIを専門家にする仕組みを徹底解説

2024年後半から2025年にかけて、AIエージェントの進化が加速しています。

その中でも特に注目を集めているのが、Anthropicが提供するCLIツール「Claude Code」の新機能、「Agent Skills(エージェント・スキル)」です。

「毎回同じ指示をするのが面倒」「特定のプロジェクト独自のルールをAIに守らせたい」そんな悩みを解決する、Agent Skillsの正体と使い方を徹底解説します。

1. Claude Codeの「Agent Skill」とは何か?

Agent Skillとは、一言で言えば「AIエージェントに特定のタスクの手順や専門知識を教え込むためのパッケージ」です。

これまでのAIとの対話では、新しいチャットを始めるたびに「このプロジェクトのコーディング規約は…」「スプレッドシートの書き方は…」と説明(プロンプト)を繰り返す必要がありました。Agent Skillを使えば、これらの指示、スクリプト、リソースを一つのフォルダにまとめ、Claudeが必要な時に自律的に読み込んで実行できるようになります。

Agent Skillを構成する3つの要素

  1. 指示書(SKILL.md): そのスキルをいつ、どのように使うかを記したマニュアル。
  2. 実行コード(Scripts): PythonやBashなど、AIが直接実行できるツール。
  3. リソース(Resources): テンプレート、仕様書、過去の事例データなど。

2. なぜAgent Skillが必要なのか?(3つのメリット)

従来の「カスタム指示」や「RAG(検索拡張生成)」と何が違うのでしょうか。

① コンテキスト(トークン)の節約:プログレッシブ・ディスクロージャー

Agent Skillの最大の特徴は「必要な時だけ読み込む」仕組みです。

  • メタデータ: 起動時に名前と説明だけを読み込む(約100トークン)。
  • 本体: AIが「このスキルが必要だ」と判断した瞬間だけ、詳細な指示を読み込む。 これにより、大量のスキルを導入しても、AIの「記憶容量(コンテキストウィンドウ)」を圧迫せず、動作が重くなりません。

② 決定論的な動作(確実性)

RAGは関連情報を「検索」するため、時として的外れな情報を拾うことがあります。

一方、Agent Skillは人間が定義した「手順書(SKILL.md)」に従うため、決められたワークフローを確実に実行させるのに適しています。

③ ポータビリティと共有

作成したスキルはフォルダごとGitで管理したり、チームに配布したりできます。

一度作れば、Claude Code(CLI)、Claude.ai(Web)、APIなど、あらゆる環境で同じ「専門性」を再現可能です。

3. Agent Skill vs CLAUDE.md:使い分けのポイント

Claude Codeを利用している方なら「CLAUDE.md」を使っているかもしれません。これらには明確な役割分担があります。

機能

役割

読み込みタイミング

CLAUDE.md

プロジェクト全体の共通ルール(技術スタック、トーンなど)

常に 全文読み込まれる

Agent Skill

特定のタスク(PDF解析、テスト生成、リリース作業など)

必要な時だけ 読み込まれる

結論: プロジェクト全体に関わることは「CLAUDE.md」、特定の作業手順は「Agent Skill」に切り出すのがベストプラクティスです。

4. Agent Skillの作り方 5ステップ

実際にカスタムスキルを作る手順は驚くほどシンプルです。

ステップ1:フォルダの作成

.claude/skills/ ディレクトリ内に、スキル名のフォルダを作成します(例:api-doc-generator)。

ステップ2:SKILL.mdの作成

フォルダ内に SKILL.md という名前でファイルを作成し、冒頭にYAML形式でメタデータを記述します。

---
name: api-doc-generator
description: ソースコードからOpenAPI仕様書を自動生成・更新するためのスキル。
---

# API Doc Generator
## 手順
1. `src/` 以下のコードを解析する
2. 既存の `openapi.yaml` との差分を確認する
3. 差分がある場合、修正案を提示してユーザーの承認を得る

ステップ3:スクリプトの配置(任意)

特定の処理をコードで行わせたい場合、scripts/ フォルダにPythonファイルなどを置きます。

ステップ4:スキルの認識

Claude Codeを起動すると、自動的にスキルがスキャンされます。

ステップ5:スキルの実行

「APIドキュメントを更新して」と指示するだけで、Claudeが自律的に api-doc-generator スキルを選択し、定義された手順で作業を開始します。

ただし読み込みタイミングをClaudeCodeがよしなに読み込んでくれるので自分でタイミング調整できないのがネックではあります....

5. 失敗しないためのベストプラクティス

  1. 「Claudeは既に賢い」ことを忘れない: 一般的な知識(例:Reactとは何か)をSkillに書く必要はありません。そのプロジェクト固有のルールやプライベートな情報だけを記述しましょう。
  2. SKILL.mdは短く保つ: 500行以内に抑えるのが理想です。詳細なドキュメントは別ファイルに分け、必要に応じてAIに読み込ませるようにします。
  3. チェックリスト形式を活用する: 複雑なワークフローは [ ] ステップ1 のように記述すると、AIが進捗を管理しやすくなります。

6. まとめ:Agent Skillsが変える未来

Anthropicは、Agent Skillsをオープンスタンダード(業界標準)にしようとしています。既にVS CodeやCursor、GitHubなどもこの仕様をサポートし始めています。

「AIを使いこなす」ことは、単にプロンプトを投げることではなく、「AIに自分たちの仕事の型を教え、専門ツールを渡す」ステージへと進化しました。

今日からあなたのプロジェクトでも、独自のAgent Skillを育ててみませんか?

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※ 本記事の内容は、執筆時点での情報に基づいています。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 また、記載されている内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の状況に対する専門的なアドバイスではありません。 ご利用にあたっては、必要に応じて専門家にご相談ください。