Claude Codeの「thinkingモード」とは?使い方・効果・活用シーンを徹底解説
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1. イントロダクション:thinking モードって何?
AI ツール Claude Code(Anthropic が提供する開発者向けインターフェース)には、通常の応答モードに加えて thinking モード(拡張思考 / extended thinking) が存在します。これは、AI に「もっとじっくり考えてほしい」場面で使えるモードで、内部的な推論や検討を強化し、より丁寧で網羅的な回答を得たいときに有効です。
通常モードの応答は、ユーザーからの指示に即座に最適と思われる回答を返しますが、thinking モードでは AI に「考える時間とリソース」を多く与えて、複数の仮説を検討したり、利点・欠点を比較したりしながら答えを導きます。
たとえば「このバグの原因を調べてほしい」と指示するだけでなく、「このバグの原因を think hard で調べてほしい」などとキーワードを付け加えることで、thinking モードをトリガーできます。
2. thinking モードの仕組みと “思考予算”
thinking モードがただのノリや見せかけではなく、ある種の “思考予算 (thinking budget)” を使う仕組みで動いているという理解が一般的です。
思考予算とは?
- Claude は内部的に「思考トークン (thinking tokens)」を使い、これが「AI が検討可能な深さ・幅」を決定するという概念があります。
- 例えば、より深く考えるモードでは、より多くの思考トークンを使い、複数のアプローチを検討する余裕を与えるようになります。
- ただし、実際には “思考予算を必ず使い切る” わけではなく、あくまで「目安」や「上限」的な性質を持つともされています。
層/段階的な thinking モード
thinking モードには深さや強度の違いを示すキーワード群があり、それによって AI に与える “思考リソース” を変えることが可能です。
一般的に使われるキーワード例:
キーワード | 特徴 / 用途の目安 |
|---|---|
| 最も軽い拡張思考。簡単な仮説出し、選択肢の比較など |
| 中程度。ロジック検証や原因分析などに適す |
| より深い検討。設計判断・複数要素の評価 |
| 最も深いモード。複雑な問題、根本原因分析、全体最適化など |
このようなキーワードをプロンプトに組み込むことで、AI に “どれくらい慎重に考えてほしいか” を伝えることができます。
(例)
この API の設計案を出してください think hard
この複雑なバグの根本原因を分析してください ultrathink▪️実際の利用例

3. thinking モードの使い方と有効活用シーン
thinking モードをうまく使うことで、AI の出力品質を向上させられます。ただし、万能ではないので “使いどころ” を押さえることが重要です。以下、実際の使い方と有効な場面を紹介します。
有効な使いどころ
- 複雑なバグ調査・根本原因分析
複数のモジュールが絡み合っていたり、再現性が低い現象の場合、単純な応答では見落とされがちな仮説を検討するために有用です。 - アーキテクチャ設計 / リファクタリング提案
複数の選択肢を比較してメリット・デメリットを整理したり、移行手順を検討したりする際に力を発揮します。 - 仕様決定 / 戦略立案
複数の制約条件がある仕様を整理して、バランスの取れた設計案を複数出してもらうときに使えます。 - リスク検討・例外ケースの洗い出し
通常の回答では見落とされやすいエッジケースや例外パターンを掘り下げたい場面で有効です。
使用時のポイント・注意点
- 必要なときに限定して使う
thinking モードは「じっくり考える分、時間がかかる」「リソースを使う」ため、常に使うと逆に効率を落とすことがあります。日常的な単純処理には通常モードで十分なことが多いです。 - モードの明示指定が必要
thinking モードは自動で常時オンになるわけではなく、プロンプトに対応するキーワードを入れる必要があります。たとえば「〜 think hard」など。 - 応答の遅延を許容する
じっくり考える分、応答速度が遅くなることがあります。出力に<thinking>ブロックが挟まれることもあります。 - トークン(コスト)に注意
思考トークンを多く使うモードは、コストにも影響しうるため、無駄に高強度モードを使うとコスパが悪化する可能性があります。
4. thinking モードを活かすプロンプトテンプレート(例)
以下は、thinking モードを活用するためのプロンプト構成例です。
ケース | プロンプト例 |
|---|---|
バグ原因分析 | 「このログとコードを元に、このバグの原因を think hard で分析してください」 |
アーキテクチャ比較 | 「A案とB案のトレードオフを比較して、設計判断を think harder で提示してください」 |
移行戦略立案 | 「この旧システムから新システムへの移行計画を、複数の段階とリスクを含めて ultrathink で立案してください」 |
例外ケース洗い出し | 「この関数に対して考えられるエッジケースや例外パターンを think で列挙してください」 |
ポイントは、モードキーワードを自然な形で文末に含めること。AI に「考えるモードで応答してほしい」という意図を伝えられます。
まとめ:Claude Codeの「thinkingモード」でAIに“本気で考えさせる”
Claude Codeのthinkingモード(拡張思考モード)は、AIにより深く・慎重に思考させたいときに使える強力な機能です。
通常モードでは一瞬で最適解を出すのに対し、thinkingモードでは「仮説検証 → 比較 → 推論 →結論」という思考プロセスをAI内部で踏ませることができます。
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