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Claude Codeの「thinkingモード」とは?使い方・効果・活用シーンを徹底解説

JAPANWAVE編集部2025年10月14日読了時間: 7分
Claude Codeの「thinkingモード」とは?使い方・効果・活用シーンを徹底解説

1. イントロダクション:thinking モードって何?

AI ツール Claude Code(Anthropic が提供する開発者向けインターフェース)には、通常の応答モードに加えて thinking モード(拡張思考 / extended thinking) が存在します。これは、AI に「もっとじっくり考えてほしい」場面で使えるモードで、内部的な推論や検討を強化し、より丁寧で網羅的な回答を得たいときに有効です。

通常モードの応答は、ユーザーからの指示に即座に最適と思われる回答を返しますが、thinking モードでは AI に「考える時間とリソース」を多く与えて、複数の仮説を検討したり、利点・欠点を比較したりしながら答えを導きます。

たとえば「このバグの原因を調べてほしい」と指示するだけでなく、「このバグの原因を think hard で調べてほしい」などとキーワードを付け加えることで、thinking モードをトリガーできます。

2. thinking モードの仕組みと “思考予算”

thinking モードがただのノリや見せかけではなく、ある種の “思考予算 (thinking budget)” を使う仕組みで動いているという理解が一般的です。

思考予算とは?

  • Claude は内部的に「思考トークン (thinking tokens)」を使い、これが「AI が検討可能な深さ・幅」を決定するという概念があります。
  • 例えば、より深く考えるモードでは、より多くの思考トークンを使い、複数のアプローチを検討する余裕を与えるようになります。
  • ただし、実際には “思考予算を必ず使い切る” わけではなく、あくまで「目安」や「上限」的な性質を持つともされています。

層/段階的な thinking モード

thinking モードには深さや強度の違いを示すキーワード群があり、それによって AI に与える “思考リソース” を変えることが可能です。

一般的に使われるキーワード例:

キーワード

特徴 / 用途の目安

think

最も軽い拡張思考。簡単な仮説出し、選択肢の比較など

think hard

中程度。ロジック検証や原因分析などに適す

think harder

より深い検討。設計判断・複数要素の評価

ultrathink

最も深いモード。複雑な問題、根本原因分析、全体最適化など

このようなキーワードをプロンプトに組み込むことで、AI に “どれくらい慎重に考えてほしいか” を伝えることができます。

(例)

この API の設計案を出してください think hard
この複雑なバグの根本原因を分析してください ultrathink

▪️実際の利用例

3. thinking モードの使い方と有効活用シーン

thinking モードをうまく使うことで、AI の出力品質を向上させられます。ただし、万能ではないので “使いどころ” を押さえることが重要です。以下、実際の使い方と有効な場面を紹介します。

有効な使いどころ

  • 複雑なバグ調査・根本原因分析
     複数のモジュールが絡み合っていたり、再現性が低い現象の場合、単純な応答では見落とされがちな仮説を検討するために有用です。
  • アーキテクチャ設計 / リファクタリング提案
     複数の選択肢を比較してメリット・デメリットを整理したり、移行手順を検討したりする際に力を発揮します。
  • 仕様決定 / 戦略立案
     複数の制約条件がある仕様を整理して、バランスの取れた設計案を複数出してもらうときに使えます。
  • リスク検討・例外ケースの洗い出し
     通常の回答では見落とされやすいエッジケースや例外パターンを掘り下げたい場面で有効です。

使用時のポイント・注意点

  1. 必要なときに限定して使う
     thinking モードは「じっくり考える分、時間がかかる」「リソースを使う」ため、常に使うと逆に効率を落とすことがあります。日常的な単純処理には通常モードで十分なことが多いです。
  2. モードの明示指定が必要
     thinking モードは自動で常時オンになるわけではなく、プロンプトに対応するキーワードを入れる必要があります。たとえば「〜 think hard」など。
  3. 応答の遅延を許容する
     じっくり考える分、応答速度が遅くなることがあります。出力に <thinking> ブロックが挟まれることもあります。
  4. トークン(コスト)に注意
     思考トークンを多く使うモードは、コストにも影響しうるため、無駄に高強度モードを使うとコスパが悪化する可能性があります。

4. thinking モードを活かすプロンプトテンプレート(例)

以下は、thinking モードを活用するためのプロンプト構成例です。

ケース

プロンプト例

バグ原因分析

「このログとコードを元に、このバグの原因を think hard で分析してください」

アーキテクチャ比較

「A案とB案のトレードオフを比較して、設計判断を think harder で提示してください」

移行戦略立案

「この旧システムから新システムへの移行計画を、複数の段階とリスクを含めて ultrathink で立案してください」

例外ケース洗い出し

「この関数に対して考えられるエッジケースや例外パターンを think で列挙してください」

ポイントは、モードキーワードを自然な形で文末に含めること。AI に「考えるモードで応答してほしい」という意図を伝えられます。

まとめ:Claude Codeの「thinkingモード」でAIに“本気で考えさせる”

Claude Codeのthinkingモード(拡張思考モード)は、AIにより深く・慎重に思考させたいときに使える強力な機能です。


通常モードでは一瞬で最適解を出すのに対し、thinkingモードでは「仮説検証 → 比較 → 推論 →結論」という思考プロセスをAI内部で踏ませることができます。

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※ 本記事の内容は、執筆時点での情報に基づいています。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 また、記載されている内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の状況に対する専門的なアドバイスではありません。 ご利用にあたっては、必要に応じて専門家にご相談ください。